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【燃油高騰・脱炭素対策に!】ヒートポンプの知られざる力を解説

投稿日:2021.12.03

更新日:2024.02.19

世界的な経済活動の活発化に伴って、たびたび問題となっているのが燃油です。
経済活動の活発化は燃油価格が高騰する原因になる一方で、世界的な潮流として脱炭素・省エネに対する注目度も年々高まっています。
そのような燃油高騰や脱炭素に対する解決策として、ヒートポンプの利用があります。
この記事では、ヒートポンプの仕組み、ヒートポンプが燃油高騰や脱炭素につながる理由について解説していきます。

ヒートポンプの仕組み

ヒートポンプの原理の図解

ヒートポンプは、コンプレッサーを使用して液体または気体の冷媒を循環させることで、ある場所から別の場所に熱を移動するシステムです。
ヒートポンプは、熱を抽出し、送り出す働きができるので、寒い時期には室内の暖房として機能させることができ、暑い時期にはヒートポンプのサイクルを逆にして冷房として機能させることもできます。
こたつなどに使われる電気ヒーターの場合、電気抵抗を利用して熱を生み出すため、発生する熱量は使用する電気量に比例します。
例えば、100の電気エネルギーを使って生み出せる熱エネルギーは最大でも100です。
現実場面では、熱を生み出す際のエネルギー損失もあるので、実際の熱エネルギーは100未満になるでしょう。

しかし、ヒートポンプの場合、気体の圧縮によって温度が上昇し、膨張によって温度が低下する性質を利用。
冷媒の圧縮・膨張を繰り返して、温度を上昇・低下させて熱を移動させます。
電力は熱を移動させるためだけに使うので、一般的な電気ヒーターに比べると非常に高いエネルギー効率を実現できます。
ヒートポンプのエネルギー効率は、COP(成績係数)という数字で表現されますが、COP4や5(入力したエネルギーに対して、生み出せる熱エネルギーが4倍、5倍)のヒートポンプも珍しくありません。
ヒートポンプは、エアコン、エコキュート、冷蔵庫などの機器に使われていて、医療施設や学校、工場、農場などにも展開されています。

また、ヒートポンプの利用は、燃油費用の削減や、脱炭素への取り組みにも貢献できるのです。

ヒートポンプが燃油費用削減に繋がる理由

下降グラフ

ヒートポンプは、電気ヒーターに対してだけでなく、石油などの化石燃料を直接燃焼させるヒーターに対しても高いエネルギー効率を誇っています。

一般社団法人日本エレクトロヒートセンターの試算では、化石燃料を燃焼させる熱源機器に比べるとヒートポンプの方が46%省エネだとされています。
言い換えると、その分だけランニングコストが安くなり経済的だということです。(参考:一般社団法人日本エレクトロヒートセンター「ヒートポンプの特徴」

イーズの農業用ヒートポンプ

加温栽培などで重油を使うのが一般的な農業分野でもヒートポンプは役立っています。
こうした農家ではコストに占める燃料費の割合が大きく、燃油価格の変動が経営に大きなインパクトを与えてしまいます。
ヒートポンプの導入は、暖房用の燃油使用量の削減だけでなく、ヒートポンプが持つ冷房・除湿機能によって品質の向上に寄与しています。

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脱炭素・CO2排出削減にも役立つヒートポンプ

CO2削減のイラスト


ヒートポンプは、脱炭素・CO2排出削減という点でも注目されています。
日本のエネルギー利用のうち、給湯や暖房での熱利用が約半分を占めていて、そのうちの大半が化石燃料の直接燃焼によるものです。(参考:一般財団法人ヒートポンプ・蓄熱センター「ヒートポンプのCO2削減効果」)。
そうした化石燃料の直接燃焼による機器をヒートポンプに置き換えることによって、CO2排出量が55%削減できるのです。(参考:一般社団法人日本エレクトロヒートセンターによる試算
このようなヒートポンプのCO2排出削減能力を踏まえて、経済産業省資源エネルギー庁では、「2030年エネルギーミックス実現に向けた熱政策」として、家庭用ヒートポンプ式給湯器(エコキュート)の導入台数を2015年の504万台から、2030年には1,400万台まで増加させることを目標として掲げています。(参考:経済産業省資源エネルギー庁コラム)。

ヒートポンプは、国際的にもCO2排出削減に貢献できる機器として注目されていて、IEA(国際エネルギー機関)では、持続可能な開発シナリオの中で、暖房・給湯設備におけるヒートポンプの割合を2019年の4.9%から2030年には22.1%まで増加させることを目標としています。(参考:Heat Pumps – Analysis – IEA
脱炭素という観点でも、施設や家庭などで利用されている暖房や給湯をヒートポンプ機器(エアコンやエコキュートなど)に置き換える動きは今後もさらに加速していくことでしょう。

ヒートポンプ導入を助ける補助金制度

補助金のイラスト

ここまで解説してきたように、ヒートポンプは省エネ・脱炭素に極めて重要な役割を果たす機器です。
そうした背景から、国としても強力に導入推進を図るべく、産業用途におけるヒートポンプの導入に対する補助金制度が制定されています。
経済産業省の「産業・業務部門における高効率ヒートポンプ導入促進事業」では、高効率ヒートポンプの増設・新設、ならびに燃焼式加熱装置からの更新に対して補助金の対象事業としています。
補助金額は1事業あたり25万円~1億円です。(参考:https://sii.or.jp/hp02r/uploads/k01_panflet_hp_5.pdf


環境省の「工場・事業場における先導的な脱炭素化取組推進事業」では、脱炭素化促進計画の策定支援に対して補助率1/2、補助上限100万円の補助を、設備更新に対して補助率1/3の補助を実施しています。 (参考:https://sangyo-hp.jeh-center.org/subsidy.html#env_r3

その他、ヒートポンプの補助金に関する最新情報は「 産業用ヒートポンプ.comの補助金情報 」から入手できます。

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まとめ

ヒートポンプは、電気エネルギーを効率的に熱エネルギーに変える機器として、家庭、工業、農業などの様々な分野で活用されています。
そして、高いエネルギー効率は、燃油価格の高騰への対策になるだけでなく、脱炭素に貢献できる機器としても注目されています。
国の補助金も上手に活用して、ビジネスの効率化と地球環境保護への貢献を両立できるヒートポンプの利用を是非ご検討ください。

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