投稿日:2020.11.17
更新日:2026.06.16

ハウスでの栽培で必須となっているのが、農業用ヒートポンプや暖房機です。なかでも、農業用ヒートポンプを導入する生産者が増えています。
ただ「今使っている暖房機があるし…」と導入を迷っている方も多いのではないのでしょうか?
そのような方に向けて、本記事では農業用ヒートポンプの基本的な仕組みや、導入するメリット・デメリットを解説します。また、省エネ効果の高いおすすめ製品を導入事例とともに紹介いたしますので、農業用ヒートポンプの導入を検討している方はぜひ参考にしてください。

大気中の熱エネルギーを活用して、施設園芸や畜産施設などの温度管理を行う空調・加温設備のことです。農業分野では、主にビニールハウスやガラス温室での栽培環境の制御に活用されており、イチゴやトマト、花き栽培など、繊細な温度管理が求められる作物の生産現場で導入が進んでいます。
また、農業用ヒートポンプは、温風暖房機と比べて室内の温度ムラを抑えやすく、安定した生育環境を整えられる点も特徴です。近年は、脱炭素化の推進やエネルギー価格の高騰を背景に、国や自治体の補助金制度の対象設備として位置づけられるケースも多く、今後さらなる普及が期待されています。
農業用ヒートポンプは、エアコンと同じ「冷媒サイクル」の原理を利用しています。まず、外気から熱を吸収した冷媒を圧縮機(コンプレッサー)で高温・高圧の状態に変え、その熱を温室内や施設内へ放出することで暖房を行うのが基本的な仕組みです。
一方、夏場はその流れを逆にすることで施設内の熱を外へ逃がし、冷房設備としても活用できます。つまり、1台で加温と冷却の両方に対応できる点が大きな特徴です。
なお、農業用ヒートポンプは、電気を使って空気中の熱を移動させることで暖房や冷房を行うため、従来の重油ボイラーのように燃料を燃焼させて熱を生み出す方式とは大きく異なります。少ない電力で効率よく熱エネルギーを利用できるため、省エネルギー性に優れ、燃料費の削減やCO₂排出量の抑制につながる設備として注目されています。

農業用ヒートポンプを導入することで、次のようなメリットが期待できます。
ここからは、各メリットを深掘りしながら解説します。
農業用ヒートポンプの導入が増えている要因の一つとして、省エネ性能の高さがあげられます。
農業用ヒートポンプは、熱交換機とファンの同時運転によって空気中に熱を効率よく伝えられる設備です。これは大きな平皿にお湯を注ぎ、大きなうちわであおぐとすぐに熱が冷める、という仕組みと同じです。
空気中の熱を面積を広げた熱交換器に通し、大型ファンで循環させられるからこそ、農業用ヒートポンプは高い省エネ性能を発揮できます。
特に重油や灯油を使用する暖房設備と比較すると、燃料価格の変動リスクを受けにくいため、長期的な運用コストの安定化にもつながるでしょう。エネルギー価格の高騰が続くなか、経営負担の軽減に役立つ点は大きなメリットといえます。
重油暖房機だけの暖房に比べ、暖房コストを3〜5割近く削減できたという事例も多く見受けられます。
農業用ヒートポンプには、暖房・冷房運転ともに幅広い設定温度範囲が搭載されています。1台で冷暖房の両方を担えるため、年間を通して幅広い作物の栽培環境を整えやすい点が魅力です。
「重油暖房機は冬しか使えないが、ヒートポンプは1年中大活躍してくれる」という声も良く聞きます。電気式ヒートポンプならではの最大の強みです。
夏場のハウス内を快適にする「冷房」や、梅雨・冬場の結露を軽減する「除湿」ができるため、病気の発生を防ぐことが期待されます。
キュウリなどは高温多湿を好む一方で、夜間の湿度が上がりすぎると「うどんこ病」などの病気が発生しやすくなります。ヒートポンプの強みである「除湿・冷房機能」を夜間に使うことで、農薬を減らしながら、作物の秀品率(質の高い生産物の割合)の向上につながります。
ガーベラなどは湿度が高くなると花弁にカビが発生したり、病気になりやすくなるため、ヒートポンプによる「除湿運転」が非常に有効です。これにより年間を通じて安定した出荷が可能になります。
近年は猛暑による高温障害や生育不良、品質低下が農作物に与える影響が大きくなっており、施設内の温度上昇を抑える重要性が高まっています。ヒートポンプで冷房・除湿運転を行えば、暑熱環境を緩和し、作物へのストレス軽減が期待できるでしょう。
農業用ヒートポンプは、施設内の温度をきめ細かくコントロールしやすい点も強みです。作物ごとに適した生育温度を安定して維持しやすくなります。
また、ハウスの隅々にまで風が行き届くようなヒートポンプは、循環扇を設置しなくても生育ムラの抑制や品質の均一化につながりますので、なるべく風量の大きいヒートポンプがおすすめです。
特にイチゴやトマト、花き類など、温度変化に敏感な作物の栽培では、安定した環境づくりが収量や品質に大きく影響します。
イチゴは春先や秋口の温度管理が重要です。「夜間冷房」や「除湿効果」によって花芽分化をコントロールし、収穫時期を前倒し(促成栽培)して高単価で出荷できる時期を狙ったり、収穫期間を延ばすことで収量をアップが可能になります。
農業用ヒートポンプの導入によって、昼夜の温度差や急激な外気温の変化にも柔軟に対応できるため、計画的な栽培管理を実現することで、安定した生産による収入アップが期待できます。
燃焼を伴わず電力を使って熱を移動させる仕組みの農業用ヒートポンプは、環境負荷を低減できる点も導入メリットの一つです。
化石燃料の使用量を抑え、CO₂排出量の削減につながります。
脱炭素社会の実現に向けて農業分野でも環境配慮型設備の導入が求められるなか、ヒートポンプは有力な選択肢の一つです。
環境保全への取り組みは持続可能な農業経営の実現にもつながります。
農業用ヒートポンプの導入は生産物のためだけでなく、ハウス内で「働く方のための冷房」としても恩恵が大きいです。熱のこもりやすいハウス内での作業が涼しく快適になることで、熱中症対策としても有効です。
また、「重油の給油作業やタンク管理の重労働が省力化された」という声も聞かれます。

農業用ヒートポンプを導入することで、様々なメリットが期待できる反面、次のような使用上の注意点も存在します。
ここからは、各注意点とそれに対する緩和策を詳しく解説しますので、ぜひ参考にしてください。
農業用ヒートポンプは、省エネルギー性や運用コストの低減が期待できる一方で、導入時の初期費用が比較的高額になりやすい点に注意が必要です。
設備導入時には本体の購入費に加えて、配管工事や電気設備工事、制御システムの設置費なども発生する可能性があるため、導入規模によっては大きな投資になります。
農業用ヒートポンプ導入の最大のハードルである「初期導入コスト」についての緩和策を3つ紹介いたします。
燃焼式温風機との併用運転を前提に
ハウスに必要な最大熱量をすべてヒートポンプだけで賄おうとすると、機器の数が多くなったり、大型なものが必要となり導入コストが跳ね上がります。ハウスの規模にもよりますが、後述する燃焼式温風機との併用(ハイブリッド方式)」を前提にすれば、ヒートポンプの導入数が抑えられる場合もあります。
補助金・助成金の活用
農林水産省や各自治体では、省エネ機器や脱炭素化に向けた補助金を定期的に実施しています。これらを利用することで、自己負担を1/2〜1/3程度に抑えられるケースがあります。
リース・レンタル制度の利用
初期投資を一括で支払うのではなく、リース契約にすることで月々の経費(ランニングコスト)として処理することも有効な手段になります。
長期的には光熱費の削減によって費用回収が見込めるケースもありますが、導入前に投資費用の回収年数やランニングコストを試算し、経営計画に合った設備規模を検討することが重要です。
ヒートポンプは大気中の熱を利用する仕組みのため、冬季の外気温が著しく低い地域では暖房能力やエネルギー効率が低下する場合があります。特に寒冷地では、設定温度まで十分に加温できなかったり、消費電力が増加したりする可能性も考えられます。
そのため、必要に応じて補助暖房設備を補助的に併用することもおすすめします。
また、地域の気候条件を踏まえて導入する機種を選定することが大切です。厳冬期を見据えた温度管理計画を組み立てましょう。
ヒートポンプを安定的かつ高効率で運用するためには、定期的な点検やメンテナンスが欠かせません。熱交換器の汚れや冷媒漏れ、フィルターの目詰まりなどが発生すると、性能低下や電力消費の増加を招く原因になります。
また、機器トラブルが発生すると施設内の温度管理に大きな影響を与えるため、繁忙期に故障が起こるリスクも考慮しなければなりません。導入後の保守体制や点検スケジュールをあらかじめ整えておくことが、長期安定運用のポイントです。
農業用ヒートポンプは電気を動力源として稼働するため、停電時には暖房・冷房機能が停止してしまうリスクがあります。特に厳寒期や高温期に設備が停止すると、作物の生育環境が急激に悪化し、品質低下や収量減少につながりかねません。
また、使用規模によっては高圧受電設備の導入や契約電力の見直しが必要になるケースもあります。万が一、電力供給が止まった時の備えとして非常用電源の確保や、電力ピークを考慮した運用計画をあらかじめ整えておくことが重要です。
農業用ヒートポンプは、どの施設にも同じように導入すれば十分な効果を発揮するわけではありません。ハウスの広さや構造、断熱性能、栽培する作物の種類、生育ステージごとに必要な温度条件は大きく異なります。
設備容量が不足すると十分な空調効果を得られず、反対に過剰設備では導入費や運用費が無駄に膨らむ可能性があります。だからこそ、導入前には施設条件を正確に把握し、専門業者と相談しながら最適な能力設計を行うことが大切です。
農業用ヒートポンプを導入する注意点を紹介しましたが、前述したように風量や省エネ能力の高いヒートポンプを選択することと、燃焼式温風機との併用(ハイブリッド運転)を前提にヒートポンプの導入を検討することで、ヒートポンプのデメリットのほとんどが緩和できます。
ハイブリッド運転とは、稼働率が高い範囲では電気機器である農業用ヒートポンプを使用し、それ以外では燃油暖房機を使う運転方法です。
農業用ヒートポンプに比べ、燃油暖房機は基本料金がかかりません。そのため、稼働率が高くない場所では燃油暖房機を使ったほうがランニングコストが抑えられるのです。
よりランニングコストを抑えるには、農業用ヒートポンプの設定温度を燃油暖房機より2〜3℃高く設定することをおすすめします。
園芸施設の温度管理を効率化できる設備をお探しなら、株式会社イーズが提供する高性能の農業用ヒートポンプ「ぐっぴーバズーカ」がおすすめです。
ぐっぴーバズーカには、ヒートポンプとしての機能だけでなく、ハウスの中の空気を循環する循環扇も搭載されています。そのため、これまで農業用ヒートポンプが抱えていた大型ハウスで使用した際の温度ムラを大幅に緩和できる製品なのです。
ここからは、「ぐっぴーバズーカ」の主な機能と導入メリットを解説します。
主な機能・導入メリットは、次のとおりです。
ここからは、各機能の詳細を解説しますので、農業用ヒートポンプの導入を検討している方はぜひご確認ください。

「ぐっぴーバズーカ」には先述した通り、循環扇が搭載されています。この循環扇があることで、生育環境における温度ムラを低減できます。
そのうえ、循環扇によってハウス内の空気と温度差の少ないマイルドな風を大風量で作り出せるため、作物にも優しい製品なのです。
なお、「ぐっぴーバズーカ」は、ツインタイプで定格7馬力(最大出力9馬力)の圧倒的な大風量(166㎥/min)を実現しています。送風モードにすれば循環扇としても活用できるため、作物のカビや病気の対策に役立つでしょう。

「ぐっぴーバズーカ」は、省エネ性能の観点からも注目されている農業用ヒートポンプです。重油式の暖房と比較すると、その差は明らかです。

COPとは「エネルギー消費効率」を証明する数値で、大きければ大きいほど効率が高いことを意味します。
「ぐっぴーバズーカ」のツインタイプとシングルタイプの暖房定格COPは、それぞれ5.68と5.81、冷房定格COPはそれぞれ4.75と4.98です。効率良くエネルギーを使うことで、高い省エネ性能を実現しています

リモコンによって設定温度を簡単に操作できる点も、「ぐっぴーバズーカ」の長所です。設定温度だけでなく現在の室温も常に表示できるため、施設内における空調管理の効率化に役立つでしょう。
なお、冷房は10℃〜30℃、暖房は10℃〜28℃に設定可能です。バックライトも搭載しており、液晶を見やすいので、夜間でも安心して室温の確認ができます。

農業用ヒートポンプ「ぐっぴーバズーカ」には、メンテナンスが楽という忙しい生産者に嬉しいメリットがあります。そもそもフィルターを搭載していないため、フィルター掃除をする必要がなく、そのまま水洗いも可能です。
また、室外ユニットのボディは耐久性にも優れています。直射日光に強いだけでなく、雨ざらしでも問題なく使用可能です。

「ぐっぴーバズーカ」は、ダクト接続もできる農業用ヒートポンプです。
吹出口にダクトを取り付けることで、温風・冷風を必要な場所へ効率よく送り届けられるため、広いハウス内でも空気をムラなく循環させやすくなります。
また、栽培作物やハウスの構造に合わせて送風方向や吹き出し位置を調整しやすい点もメリットです。高設栽培や多連棟ハウスのように空気が滞留しやすい環境でも、ダクトを活用することで効率的な気流設計が可能になります。
局所的な温度の偏りを抑えながら、栽培空間全体を均一な環境に近づけられることから、生育ムラの軽減や品質の安定化に役立つでしょう。

「ぐっぴーバズーカ」は、以下のような方におすすめです
このようなお悩みや課題を抱えている生産者様は、「ぐっぴーバズーカ」の導入をぜひご検討ください。

栃木県の水沼花園様では、シクラメンを中心に多品種の鉢花を生産するなかで、「ぐっぴーバズーカ ツイン」と「どくとるドライ」を導入し、夜冷・除湿による品質向上と省エネ化を実現しています。
冬場は外気が-5℃になる環境でも、重油暖房機との併用によるハイブリッド運転で重油使用量を大幅に節減しつつ、バズーカツインを優先稼働させることでコストが安定する栽培体制の構築に成功しています。
また、夏場は日中の送風や夜間冷房によりハウス内の温度差を軽減し、「夏バテ」を防いで根張りの良い大株に育成できたとのことです。
さらに「どくとるドライ」によって、天窓やサイドカーテンが開けられない朝の時間帯でも効率的に除湿・換気ができ、花シミの抑制や鮮やかで元気な生育にもつながったとお喜びの声をいただいています。

今回は農業用ヒートポンプについて詳しくご紹介しました。
農業用ヒートポンプは、高い省エネ性能と環境負荷の低減を両立できるこれからの農業経営に適した温度管理設備です。燃料費の削減や栽培環境の安定化といったメリットがある一方で、初期費用や寒冷地での性能低下などの注意点もあります。
導入効果を最大限に引き出すためには、施設規模や栽培品目、地域特性に合った機種を選ぶことが重要です。設備の特徴を正しく理解し、自社に最適な農業用ヒートポンプの導入を検討しましょう。
燃焼式温風機との併用(ハイブリッド運転)を前提とした導入計画も併せて推奨します。
なお、農業用ヒートポンプの導入を考えている生産者様には、イーズの技術がつまった「ぐっぴーバズーカ」がおすすめです。
省エネ性能が高いだけでなく、これまで農業用ヒートポンプの欠点であった大型施設における温度ムラを大幅に緩和できます。加えて、メンテナンスが簡単にできることもメリットのひとつです。
イーズでは、ヒートポンプを導入した際のコスト試算アンケートを行っておりますので、重油の削減率やランニングコストなど、詳細なシュミレーションが可能です。もちろん無償です。
この機会に、大規模ハウスに大風量で温度ムラの緩和が実現できるイーズの農業用ヒートポンプ「ぐっぴーバズーカ」の導入を検討してみませんか?
株式会社イーズが独自に開発した、製品のカタログや取り扱い説明書をダウンロードいただけます。
必要事項をフォームに入力のうえ、送信してください。
ご返信メールにて、資料のダウンロードリンクをお送りいたします。
まずは気になる商品のカタログを読みたい、という方は以下からお進みください。