投稿日:2022.11.07
更新日:2024.02.19
環境省熱中症予防情報サイトのまとめによると、学校での活動中に起きた熱中症事故のうち、中学校では67%が、高等学校では69%が、部活動時に起きているとしています。
部活動というと屋外をイメージしがちですが、実は体育館などの屋内でも熱中症のリスクはあります。その中でも剣道は熱中症リスクの高いスポーツの1つです。
今回は、剣道部の熱中症対策と予防法などを解説していきます。
剣道部で熱中症対策が重要となる理由は2つあります。
1つは、剣道部の活動する体育館あるいは専用の剣道場が熱中症リスクの高い場所だからです。体育館や剣道場は屋根が大きく、金属の構造体でできている場合も多く、太陽の熱によって発生する熱が室内にこもりやすい構造になっています。さらに風通しもよくないので、熱中症リスクの高い高温多湿の環境になってしまうのです。
もう1つは、剣道は防具を着て動くスポーツだからです。剣道の防具は通気性が悪く、防具を着たままだと防具内がさらに高温多湿の環境になり、熱中症リスクを高めてしまうのです。
環境省がまとめた部活動の種目別の熱中症発生数を見ると、剣道は5番目の件数になっています。
出典:環境省・文部科学省「学校における 熱中症対策ガイドライン作成の手引き」
剣道部の熱中症予防において、重要なのは以下4点です。
熱中症予防でまず重要になるのが、こまめな水分補給です。運動中に出る汗の量は、1時間で2リットルにもなることがあります。多量な発汗によって体重の2%以上の水分が失われると、運動能力への影響が大きくなってきます。
したがって、運動中に失われた水分は適切に補給する必要があります。また、予め失われる水分量を計算して、練習前に水を飲むようにすることも有効です。
水分補給量は運動状況によって異なるので一律には決められませんが、基本的にはのどが渇いたら適宜水分を補給することが大事です。適宜水分補給することで、運動中の水分が体重2%以上失われない状態を維持しましょう。たとえば、体重60kgの人であれば、運動後の体重減少量が1.2kg以内に収まっていればよい計算になります。
かつては、剣道の稽古中は「水を飲まないことが美徳」と言われたこともありましたが、そのような危険なことは決してしないようにしましょう。
熱中症の予防には定期的な休息も不可欠になります。休息をすることで運動による発汗をおさえられるので、体内から急激に水分が失われる状態を回避できるからです。剣道の場合は、休息中に防具を外して休むことも大事です。一般に衣服の熱抵抗は衣服で覆われる面積に比例して大きくなるため、なるべく体表を覆う面積の小さい薄着の方が熱は放散しやすくなります。
JSPOがまとめた「スポーツ活動中の熱中症対策ガイドブック」では、剣道着・防具を着用した条件と着用しない条件における高温下運動時の直腸温、心拍数、発汗量を以下のように公表しています。
この結果から、防具を着用しているときには明らかに熱放散が制限され、体への負担が増していることがわかります。したがって、剣道の休憩中にはできるだけ防具を外して衣服を緩め、冷たいタオルや氷嚢などで体を冷やして体温を下げる工夫をすることが推奨されています。
体調管理も熱中症予防には重要な要素です。暑さへの耐性は個人によって大きな差があります。特に、過去に熱中症を起こした経験のある人は暑さに弱い傾向があると考えて、暑いときは運動量を軽減させる必要があります。「自分はこれくらいの暑さは大丈夫だから、みんなも大丈夫なはず」と考えるのでは、「自分にとっては大丈夫でも、あの人にとっては危険かもしれない」と考えて、個人個人の体調を見ながら対応を柔軟に変えていくようにしましょう。また、疲労、睡眠不足、発熱、風邪などで体調が悪い人や、食欲が低下している人などには、無理をさせないようにすることが大事です。
暑さに徐々にならしていく暑熱順化も熱中症予防には大事です。暑熱順化とは、体内の熱を放散する、熱放散機能を鍛えて、低い体温でも汗をかけるように体を慣れさせることです。
下のグラフは、暑熱順化をしたときとしていないときの体温と発汗量の違いを示したものになります。
このグラフを見ると、暑熱順化後は、同じ運動量でも体温の上昇が少なく、発汗量が多くなるとわかります。
暑熱順化には、有酸素運動や筋トレ・ストレッチなどの軽く汗をかく運動が有効です。気温が急上昇し始める初夏や梅雨明け、長期休暇明けなどは、このような運動を多めに取り入れて体を徐々に暑さに慣れさせてから本格的な練習をするようにしましょう。
暑熱順化には、一般的に1週間〜10日ほどかかりますが、一方で数日間運動を怠るだけで、順化の効果が消えてしまうので、注意しておく必要があります。
熱中症予防の対策をとっていても、室内環境が高温多湿で劣悪なままだと根本的な解決にはつながりません。剣道部では分厚い防具を着て活動をするので、室内環境を整えることがなおさら重要になってきます。
環境作りで重要となるのは、室内の温度と湿度の調整です。特に湿度が高いと、温度が30℃以下でも熱中症のリスクが高まってしまうので、温度と同時に湿度のコントロールが重要になるのです。大型扇風機のような空調設備でも熱中症予防の効果は多少ありますが、根本的な熱中症対策のためにはエアコンが必須です。エアコンであれば、乾いた涼しい風を出せるので、室内の温度・湿度の両方を下げられ、熱中症のリスクを大幅に軽減できるからです。
「エアコンの導入には時間もコストもかかるのでは?」と疑問をお持ちの方には、次に紹介する大風量スポットエアコンをおすすめします。
スポットエアコンとは、人がいる場所をピンポイントに冷風を送れるエアコンです。スポットエアコンであれば、体育館のような広い空間であっても、室内全体を冷やす必要がないので効率的で、導入にかかる時間は最短1日で済みます。
そのスポットエアコンの中でおすすめしたいのが、株式会社イーズが開発した「スポットバズーカ」です。「スポットバズーカ」には、以下3つの利点があります。
「スポットバズーカ」は吹出口の最大風速が8m/sと超強力な風を出せるようになっています。これは、家庭用扇風機の最大風速と比べても2.5倍以上の風速です。
その風速で冷風を約50m先まで届けるので、体育館の隅に取り付けても、人が活動している場所だけをピンポイントで狙って冷やせます。「スポットバズーカ」の風を受けたときの体感温度は、春先の平均気温並の14℃なので、熱中症対策としても申し分ありません。
狙ったところをピンポイントで冷やせる「スポットバズーカ」は、少ない台数でも効果を発揮できます。通常のエアコンだと室内全体を冷やす形になりますが、「スポットバズーカ」なら人がいる体育館の下半分のみを冷やせるので、通常のエアコンに比べて「半分程度の台数」で体育館内を冷やせます。
台数が半分で済むので、単純に導入コストも半分で済むことになります。たとえば、立川市が学校の体育館にエアコンを設置する際の検討資料(下表)をご覧ください。
「電気式の据置型」として一つだけ半分程度に安い導入コストが書かれています。これは「スポットバズーカ」の場合のコストです。ほかのシステムが4,400万円~6,600万円となっていたところ、「スポットバズーカ」は2,200万円。つまり半額以下で導入できるのです。
出典:屋内運動場(体育館)への空調設備の設置について(立川市)
「スポットバズーカ」についてさらに詳しく知りたい方は、製品詳細をご覧ください。
学校の部活動は熱中症リスクの高い活動として知られていますが、その中でも分厚い防具をつけて、風通しの悪い室内で活動する剣道部では熱中症対策に特に注意を払う必要があります。
熱中症対策は水分補給や休息、体調管理などが基本となりますが、リスクを軽減するためには室内環境を根本的に改善する必要があります。そのときにおすすめなのが安価で、かつ短期間で導入できる「スポットバズーカ」です。
「スポットバズーカ」は、学校の体育館の熱中症対策として多数導入されてきた実績があります。「スポットバズーカ」の詳細をさらに知りたい方は、株式会社イーズまでぜひお問い合わせください。
株式会社イーズが独自に開発した、製品のカタログや取り扱い説明書をダウンロードいただけます。
必要事項をフォームに入力のうえ、送信してください。
ご返信メールにて、資料のダウンロードリンクをお送りいたします。
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