投稿日:2022.05.09
更新日:2024.02.19
業務用途で使われるエアコンには、工場、倉庫、体育館の熱中症対策や、栽培ハウスでの品質維持・コスト低減の効果があると知られているものの、設置工事や費用の制約もあって導入が進んでいません。
そのような制約がある場所でも手軽に導入できる便利なエアコンが業務用スポットエアコンです。
今回は、業務用スポットエアコンを選ぶポイント、メリット・デメリット、おすすめ商品などを紹介していきます。
業務用スポットエアコンを選ぶ際に考えるべきポイントは、以下4つあります。
・スポットエアコンで冷やす空間の大きさ
・スポットエアコンを設置する場所
・暖房機能の有無
・一体型か別置型
いずれも検討初期の段階で、方針を決めておくべき内容ばかりです。
はじめに、スポットエアコンで冷やす対象とする空間を特定する必要があります。スポットエアコンは暑熱対策に有効ではあるものの、1台で冷やせる範囲には限りがあるからです。工場や体育館の複数の範囲をスポットエアコンでカバーしたい場合は、より冷房能力の高いスポットエアコンや風量の多いものを選択したり、スポットエアコンを複数台設置したりする必要があります。実際に、工場や体育館には、複数台を設置するケースが殆どです。
スポットエアコンには、一体型と別置型があります。一体型とは、室外機と室内機が1つの台車の上に一体になっているタイプで、室外機と室内機の連結距離を最小限に保ったまま、好きな場所に移動できることがメリットです。一方で別置型とは、家庭用エアコンのように室外機と室内機が分離しているタイプで、室内側に設置する機器の範囲、大きさを最小限にできることがメリットです。設置する空間の大きさ、用途、冷却対象の移動の有無などが、一体型か別置型かを選択するポイントになります。
スポットエアコンはコンパクトなのが売りですが、ある程度の大きさになるので、設置場所を確保する必要があります。たとえば、別置型の室内機(H920mm×W950mm×D330mmを想定)だと家庭用エアコンの室外機(H600mm×W800mm×D300mmを想定)の約2倍の大きさです。このくらいの設置スペースが最低限確保できているかは確認する必要があります。
スポットバズーカの一体型なら概ね1.5m×1.5m以上のスペースが必要です。
スポットエアコンには、暖房機能がついたタイプもあります。夏場の暑熱対策とあわせて冬場の環境改善を図りたいケースでは、暖房機能付のスポットエアコンが積極的に採用されているのです。たとえば、運動目的だけでなく一般市民への開放や、災害時の避難所としても活躍する体育館では、暖房機能付のスポットエアコンが使われます。
レンタルするなら冷房専用でもいいですが、購入するなら冬も使える暖房付きの方がオススメです。暖房付きでも価格はそれほど上がりません。
業務用のスポットエアコンにはさまざまなタイプがあります。ここでは3つのおすすめ商品を紹介していきます。
スポットバズーカは、バズーカの名のとおり「爽快爆風」ともに称される大風量を生み出すスポットエアコンです。スポットバズーカの吹出口における最大風速は8m/sと超強力で、その風速は一般的な家庭用エアコンの3倍以上あります。その風速で50m先まで大風量を届けます。三相200Vコンセントさえあれば、すぐに設置できて工事は不要。フィルタがないので、メンテナンスもラクラクです。
製品詳細はこちら:https://esinc.co.jp/cms/lp-spot-2/
スポットバズーカは、熱中症対策が必要な場所全般に利用されています。たとえば、工場、物流倉庫、学校の体育館などです。いずれの場所も密閉空間のため、夏場は気温だけで湿度も上がりやすくなります、温度と湿度の両方を下げられるスポットバズーカの導入は、熱中症対策に適した解決策です。最近ではワクチン接種会場にも使われています。
以下の写真は、物流倉庫にスポットバズーカをご採用頂いた事例です。「確かに50m先まで冷風が届く」、「作業員からの評価は抜群」などの声を頂いています。
導入事例の詳細はこちら:https://esinc.co.jp/caselist/bazooka03/
バズーカEXは、調理場やガラス工場、工場の溶接現場や加熱工程などスポットバズーカでは十分に冷やせない過酷な作業環境で使うのに適しています。また夏場の冷房だけでなく冬場の暖房にもニーズのある体育館などに最適です。
以下の写真は、学校の体育館にスポットバズーカEXをご採用頂いた事例です。「冷房はもちろん暖房も効果があるので冬場でもとても有難い」という声を頂いています。
導入事例の詳細はこちら:https://esinc.co.jp/caselist/gifu-ken/
スポットエアコンには、以下のようなメリット・デメリットがあります。
◯特定箇所を素早く冷却できる
◯簡単に設置できる
◯柔軟に冷却場所を変えられる
◯コストを削減できる
◯容易にメンテナンスできる
×冷却場所が限られてしまう
×音がやや大きくなる
詳細を解説していきます。
スポットエアコンは、特定の空間を狙って冷却する構造になっています。対象となる空間の温度を素早く下げられるため、時間をかけずに快適な温度を実現できます。
スポットクーラーは、一般的な工具がなくても簡単に設置できます。高価で複雑な工事を必要とする天井埋込カセット形のエアコンや、天吊り型のエアコンとは対照的です。
スポットエアコンは、一体型を選ぶことで移動も簡単になります。体育館や工場の製造ラインでは、時間帯によって人のいる場所が変わることもあるので、それに応じて冷却が必要な場所も変わってきます。一体型のスポットエアコンなら、本体を移動させて必要なときに必要な場所だけを冷却できるのです。
スポットエアコンは、室内機と室外機を分離した別置型であっても複雑な工事を必要としないので天井埋込カセット形のエアコンや、天吊り型のエアコンなどに比べるとイニシャルコストを大きくおさえられます。また、使用中も冷却を必要とする特定のスペースにだけ冷風を吹けるため、部屋全体に作用するセントラルエアコンに比べるとエネルギーの無駄がありません。
スポットエアコンは、複雑なメンテナンスも必要としません。定期的に持つ熱交換機清掃かフィルターの清掃するのみです。
スポットエアコンは、特定の場所しか冷却できないため、大空間全体を冷却したり、屋外で利用したりするのには向いていません。しかし、特定箇所に関しては、夏場でもわずかな時間で汗が乾く湿度の低い冷風を吹けるので、暑熱対策として利用するのであれば、十分な能力を持っています。
スポットエアコンの騒音レベルは、最大値で70dBくらいになるものがあります。家庭用エアコンの騒音レベルが60dB弱なので、それに比べるとどうしても大きな音になってしまいます。しかし、工場の製造ラインや活発に活動をする体育館から発生する騒音レベルに比べれば低い水準であることに加えて、冷却場所から数十メートル離れた場所で運転するものなので、本体の騒音レベルが問題なることはほとんどありません。
また気になるときには風量を「最弱」にすれば図書館並みの騒音(40㏈程度)になります。
スポットエアコンと同じく、夏場の暑熱対策として利用される機器が冷風扇です。
冷風扇とは、水の気化熱を利用して空気の温度を下げて送風する機器です。冷風扇は、気化した水蒸気も一緒に送風するため、温度を下げられる一方で湿度は上がってしまうデメリットがあります。
冷風扇は、通常のスポットエアコンに比べて広範囲に効果を発揮するので、ライブ会場やイベント会場などの屋外会場にいる人々に冷風を提供するのに適した機器です。
しかし、作業場や体育館などの密閉空間で使うと、その空間の湿度が上がってしまいます。夏場の湿度が75%を超えることも珍しくない日本では、冷風扇を使うことで湿度が上がりかえって熱中症を促進してしまう危険があるのです。したがって、人が汗をかいて活動する工場や倉庫、体育館での利用は絶対に避けるべきです。また、冷風扇には、水蒸気を発生させるために定期的な水の補給が必要になるデメリットもあります。
スポットエアコンと冷風扇の違いを以下リンクの記事に詳しくまとめていますので、あわせてご覧ください。
スポットエアコンと冷風扇・冷風機の違い【メリット・デメリット】
強力な冷却効果がある業務用スポットエアコンは、その強力さゆえに電気代が気になるかもしれません。しかし、実際にはそこまで大きな電気代を必要としません。
電気代は「1時間あたりの消費電力(kW)×使用時間(時間)×料金単価(円/kWh)」の計算式で求められます。基本料金はスポットエアコン以外の負荷設備の使用状況によって変わるのでここで無視しています。1時間あたりの消費電力は、商品によって異なるので、説明書やカタログなどに記載されている仕様書等を確認しましょう。使用時間とは、スポットエアコンの実稼働時間のことです。料金単価は、電力会社との契約プランによって異なります。
たとえば、スポットエアコン1台の1時間あたりの平均消費電力を4kW、1日の使用時間を7時間で試算してみましょう。料金単価は、東京電力の業務用電力の夏季料金である1kWhあたりの17.54円で考えると、1日あたりの電気料金は、以下のように計算できます。
4kW × 7時間 × 17.54円 = 491.12円
1ヶ月の稼働日数を22日として、上記491.12円を乗算すると、夏季シーズン3ケ月(7~9月)の電気代は、以下のとおりになります。
491.12円 × 22日 ×3ケ月 = 32,414円
消費電力は、室内の冷却効率、気温等によって異なるので、上記計算はあくまで1つの例ですが、一般的に小型スポットクーラの1シーズン(3ケ月)の電気代は1台あたり1万円前後(1ケ月あたり3,000円程度)とされています。業務用スポットエアコン(スポットバズーカの場合)は小型スポットクーラーの7倍の冷房能力、15倍の風量ですので、小型スポットクーラーを使うよりおトクです。
出典:https://www.tepco.co.jp/ep/corporate/plan_h/plan04.html
業務用スポットエアコンには、購入とは別の選択肢としてレンタルも可能です。レンタルには、購入にはないメリット・デメリットがあるので、以下に解説していきます。
◯必要な期間だけ利用できる
◯夏場以外のメンテナンスに悩まずに済む
◯修理の費用負担が必要ない
×長期(概ね3シーズン以上)に渡って利用すると割高になる
×短期レンタルは超割高になる
×欲しい時にレンタル在庫がない場合がある
詳細を解説していきます。
レンタルだと必要な期間だけお金を払って利用できます。スポットエアコン(冷房)が必要となるのは、夏場の6月下旬から9月中旬の間がほとんどです。イニシャルコストがかかる購入だと、「3ヶ月だけのためだけにもったいない」と感じてしまいますが、レンタルであれば、3ヶ月分だけのレンタル費用を支払うだけでスポットエアコンを導入できます。スポットエアコンは、設置と取り外しに手間がかからないので、夏が来るたびに設置することも容易です。
夏場に大活躍する業務用スポットエアコンは、夏場が終わるとその役目も終えてしまいます。しかし、役目が終わったからといってそのまま放置していると故障の元になるので、定期的な清掃や運転が必要です。一体型の場合は、季節が終わった後に収納する場所も問題になります。レンタルであれば、ユーザーがこうした手間をかけることは不要です。
スポットエアコンを長時間稼働させていると、予期せぬ故障やトラブルに見舞われることがあります。購入の場合、予期せぬトラブルへの修理費用を負担する必要があります。しかし、レンタルの場合、お客様の瑕疵でない限りは修理費用の負担は必要ありません。
レンタルの期間が長くなると、購入よりも割高になってしまいます。1年の中でも利用する期間が長くなる場合、あるいは概ね3シーズン以上使うことを想定している場合は、レンタルにするよりも購入にした方がトータルのコストは削減できます。今後の利用プランにあわせて、レンタルか購入かを選ぶのがよいでしょう。
業務用スポットエアコンはサイズが大きくて重量もあるので、クレーンやリフトのある輸送車をチャーターして送り届けます。この輸送は1回当たり数万円、遠隔地だと10万円近くになることも。
レンタルの場合は往復料金になるので、1ケ月以内の短期利用だと、この輸送費が重い負担となります。
人々の考えることは皆大体同じです。自分が使いたい時は他の人も使いたいので、レンタル在庫が枯渇してしまう場合があります。暑くなってからでは、枯渇しているので暑くなる前に確保しておく必要があります。
スポットエアコンは、通常のエアコンに比べてコンパクトで手軽に設置できるにもかかわらず、強力な風で狙ったところをピンポイントに効率よく温度管理できる優れものです。「エアコンを導入したいけど、設置スペースがない」、「工事にかかる時間を短くしたい」、「安いコストで高い効果を得たい」というお客様は、ぜひ業務用のスポットエアコンの導入を検討してみてください。「効果はわかるけど、購入は難しい」というお客様にはレンタルのプランもご用意しています。詳しくはイーズまでお問い合わせください。
株式会社イーズが独自に開発した、製品のカタログや取り扱い説明書をダウンロードいただけます。
必要事項をフォームに入力のうえ、送信してください。
ご返信メールにて、資料のダウンロードリンクをお送りいたします。
まずは気になる商品のカタログを読みたい、という方は以下からお進みください。