投稿日:2024.02.13
更新日:2024.02.19
空調と換気、普段から耳にすることが多い言葉ですが、この言葉の違いとは何なのでしょうか。
特に換気は2020年からの新型コロナウイルスの流行により、新しい生活習慣として重要性が高まっています。
本記事では、空調と換気の違いをメインに、それぞれの特長や空調と換気を同時に使用することのメリットをまとめています。
空調と換気の違いを知って、場面に合った適切な使用方法を身に付けましょう。
空調とは、「空気調和」の略であり、空気の暑さ・寒さ、湿気、風の強さ、換気量などを調整することをいいます。
空気のメインとなる成分は、窒素、酸素、二酸化炭素などが挙げられます。
その中には、花粉やウイルス、建築材から発生する有害化学物質が含まれていることも少なくありません。
このような空気が持っている特長を定量的に表すには、
などの複数の指標があります。これらを「空気条件」と言います。
空調とは、空気条件を空間に合わせて「空気環境」を作ることが目的とされています。
そして、空間に合った空気状態を作るものを「空調設備」と言います。
空調設備を導入することで、空気が調和され、私たちはより快適な空間で過ごすことができます。
空気調和は、以下の2種類に分類することができます。空気調和は、以下の2種類に分類することができます。
この2種類は、どのような空気調和なのかを詳しく見てみましょう。
保健空気調和とは、人間を目的とした空気調和のことです。
人間が快適に過ごしたり、健康を維持することを目的とした空調です。
一般家庭や事務所、学校、ホテルや公共施設などで導入されています。
産業空気調和とは、動物や植物の育成、物品の品質維持を目的とした空調です。温度や湿度などの条件は、業種によって異なります。
保健空気調和と異なり、通年して同じ温度や湿度を保っています。
換気は室内の密閉された空気を外の新鮮な空気と入れ替えるために行います。
換気を行うことで、空気中に漂うホコリや衣類などに付着して侵入したウイルスや花粉を外に追い出すことができます。
一般的な家やマンションのような壁や天井に囲まれている建物は、空気が外に排出されにくい傾向にあります。
そのため、高めの頻度で空気の入れ替えを行うのが最適です。
また、新型コロナウイルスの流行以降、換気の重要性が見直されています。
新型コロナウイルスの影響で、文部科学省は『学校の新しい生活様式』という衛生管理マニュアルを発行しています。
その中には、コロナ禍での学校での過ごし方が数多く記載されています。そして、換気についても一部記載をしています。
下記の表は、学校教室における窓開け換気効率の評価を行ったものです。
参照元:学校における新型コロナウイルス感染症 に関する衛生管理マニュアル ~「学校の新しい生活様式」~ 文部科学省
公立学校をモデルとし、1クラス生徒40名、教室8m×8mでエアロゾル感染のリスク評価を調査した結果です。
ケース1~ケース4までの4つの条件パターンで換気を行ったところ、4つ共に、空気が清浄化された状態であることがわかります。
特に窓側を20cm開放した状態の場合であるケース1とケース4では、換気による高い効果を得ています。
以上の結果、換気を行うことでウイルスを外へ排出したり、薄めたりする効果を期待できることが分かります。
新型コロナウイルスを含めたウイルス感染を予防するためには、「正しい換気」の知識を身に付けることも重要です。
こちらの項目では、正しい換気のやり方をチェックしてみましょう。
部屋全体の空気をきちんと入れ替える場合は、窓を2ヶ所開けることが重要です。
そうすることで、空気の通り道ができるため、より効果的な換気を行えます。
ワンルームで窓がひとつしかない場合は、換気扇を回すか、玄関のドアを開けるようにしましょう。
ただし、換気扇に汚れが溜まっている状態では、空気の排出が上手くできなくなります。
換気と言えば、窓を全開に開ければ良いのでは? と思いがちです。
しかし実際、空気は狭いところから入ってきて、広いところへ移動するという特長があります。
そのため、空気の入口部分となる窓は5~15㎝、出口部分となる窓は全開が最適です。
換気は、1回につき5~10分程度が目安時間です。
換気のタイミングは、2時間に1回が最適です。換気は、換気時間よりも回数を増やす方が大切です。
さらに効果的な換気を行う場合は、家具と壁の間に隙間を作ることです。
隙間を作ることで、換気時に風が通りやすくなります。
これまで、空調と換気が持っている、それぞれの特長を解説してきました。
ここでは、本題である空調と換気の違いについて解説していきます。
空調と換気の大きな違いとして、人工的な空気の調整が挙げられます。空調の特長を思い出してみてください。
空調は、温度、湿度、気流など、全て「空調設備」という機械が空気を調整しています。
部屋が暑いとき、多くの方はエアコンを利用することでしょう。
エアコンの冷房は、外から冷たい空気を取り込み室内へ排出しているわけではありません。
室内の暑くなった空気の「熱」だけを除去し、室内を冷やす仕組みです。
簡単に解説すると、空調は室内の空気を人工的に調整し、人々が過ごしやすい空気環境を作っているのです。
対して、換気は人工的な調整を行わず、外の空気を直接的に室内へ取込み、室内の空気環境を保っています。
この点が、空調と換気の違いです。
空調は、快適な空間を作り出すもの、換気は空気を入れ替えるものとして使用されます。
この2つは、特長が異なるため使用場面も異なります。
しかし、空調と換気を同時に使用することで得られるメリットもあります。
空調と換気を同時に利用するメリットを解説しています。
新型コロナの影響により、「密閉空間」の危険性は誰もが知っていることと思います。
空調は、温度や湿度を調整することはできるものの「空気の入れ替え」を行うことができません。
換気を同時に行なって空気を入れ替えることで、室内の汚れた空気を外に排出し、新鮮な空気を取り込み、新型コロナやインフルエンザなどを含むウイルスへのリスクを軽減することが期待できます。
空調にはフィルターが搭載されているため、外から取り込んだ空気にほこりが含まれていても、ほこりを除去してくれます。
換気と空調、二刀流で行うことによって、よりキレイな空気で過ごすことができるようになります。
換気で空気を入れ替えながら、空調を使用すると、室内外の温度差を小さくすることができます。
暑すぎたり、寒すぎる場合も室温をリセットすることができ、外気温と室内の温度差が小さくなることで、結露の発生も防止できます。
本記事では、空調と換気の特長と、換気の効果、空調と換気の違いについて解説しました。
最後にまとめとして、もう一度空調と換気の特長を見てみましょう。
「空調」:室内の温度や湿度を調整し人間が過ごしやすい空気環境を作る。
「換気」:空気を入れ替えて、ホコリや有害物質を外へと排出し、新鮮な空気を取り込む。
この2つは、違った特性も持っていますが、同時に利用することで空気の清浄化&快適な空間で過ごせるという2つのメリットを得られます。
夏や冬は暑さや寒さによって空調をONにする時間が長くなることが考えられますので、どうしても部屋を閉め切りがちになります。
締め切った状態の室内は空気が汚染されやすい傾向にあります。長時間在宅する場合は、換気することも忘れないように意識しましょう。
「空調」と「換気」それぞれの違いと特長を理解して、快適に過ごしましょう。
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