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暑さ指数(WBGT)とは?計算式や効果的な熱中症対策を紹介

投稿日:2022.12.23

更新日:2024.02.19

WBGT

熱中症のリスクは、気温だけで決められるのではなく、湿度や周囲環境によっても大きく影響されます。そうした熱中症リスクの総合的な指標になるのが暑さ指数(WBGT)です。今回は、WBGTについて詳細を解説していきます。

暑さ指数(WBGT)とは?

WBGTとは、Wet Bulb Globe Temperatureの略で、日本語に直訳すると湿球黒球温度になります。環境省では、このWBGTのことを暑さ指数と呼んでいます。
WBGTは、熱中症リスクを表すための指標として1954年にアメリカで考案されたもので、現在では世界中の事業者、学校、スポーツ活動等で熱中症リスクを測るための包括的な尺度です。WBGTは、人体と外気との熱のやりとりである「熱収支」に注目していて、その「熱収支」に与える影響の大きい気温、湿度、輻射熱の3つを考慮にいれた指標になっています。

具体的には、暑さ指数(WBGT)に影響を与える割合について、気温が1割、湿度が7割、輻射熱が2割としています。

暑さ指数

熱中症というと、気温が高い時期に起こるものと思われがちですが、実は湿度が及ぼす影響の方が大きく、実際に気温が30℃以下であっても湿度が高いと熱中症事故が起きるケースは少なくありません。WBGTは、そうした実情とも合致する指標で、WBGTが一定の値を超えると熱中症事故のリスクが急増するとされています。

暑さ指数(WBGT)の計算方法・計算式

暑さ指数(WBGT)は、以下の計算式によって計算されます。
屋内での算出式:WBGT値=0.7×湿球温度+0.3×黒球温度
屋外での算出式:WBGT値=0.7×湿球温度+0.2×黒球温度+0.1×乾球温度

  • 湿球温度とは、水に湿らせた布で温度計の計測部を包み、観測した温度のこと
  •  黒球温度とは、黒色に塗装された薄い銅板の球(中は空洞、直径約15cm)の中心に温度計を入れて観測した温度のこと
  • 乾球温度とは、通常の温度計で気温を観測した温度のこと

※WBGT、黒球温度、湿球温度、乾球温度の単位は、摂氏度(℃)です

暑さ指数(WBGT)の指針

暑さ指数(WBGT)は、さまざまな場面における行動指針として使われています。
たとえば、日本生気象学会では「日常生活に関する指針」の中で、日常生活における暑さ指数(WBGT)の指針を以下のとおりまとめています。

日常生活における熱中症予防指針

出典:日本生気象学会「日常生活における熱中症予防指針Ver.3.1」

WBGTが28℃以上で厳重警戒レベルとなり、31℃以上で外出を避けることが推奨される危険レベルとなっています。
また、日本体育協会がまとめた「熱中症予防のための運動指針」では、WBGTによる運動指針を以下の表のようにまとめています。

熱中症予防のための運動指針

出典:日本スポーツ協会「スポーツ活動中の熱中症予防ガイドブック」

ここでは、WBGTが25℃を超えると警戒レベル、28℃を超えると厳重警戒レベルとなり、31℃を超えると運動を原則中止するように呼びかけています。
環境省がまとめたWBGT値と熱中症患者発生率の関係からも、厳重警戒レベルとなるWBGTが28℃を超えると熱中症事故が著しく増加しているとわかります。

WBGT値と熱中症患者発生率の関係

出典:環境省熱中症予防情報サイト

さらに厚生労働省では、事業所で働く人向けに作業強度に応じて熱中症リスクの目安となるWBGTを以下のとおりまとめています。

事業所で働く人向けに作業強度に応じて熱中症リスクの目安

出典:厚生労働省「熱中症を防ごう!」

軽い手作業においてはWBGTの基準値を熱に順化していない人で29℃、中程度の作業ではWBGTの基準値を熱に順化していない人で26℃と指針を出しています。
(熱に順化しているとは、数日から2週間程度かけて体が暑さに順応した状態のことです。暑熱順化と呼びます。)
つまり、熱に順化していないと、中程度の作業であってもWBGTが26℃くらいで危険なレベルになることを示しています。

作業場の効果的な熱中症対策

汗を拭く作業員

工場や倉庫などの屋内作業場で熱中症リスクを軽減するには、WBGTを下げることが有効で、WBGTを下げるには気温だけでなく湿度も重要です。そのため、職場で熱中症事故を未然に防ぐには、気温と湿度の両方をコントロールできる対策が必要なのです。
職場の熱中症対策として冷風扇や大型扇風機などが、よく使われます。たしかにこれらの機器は、高湿度でなければ有効な対策となりますが、高湿度下では湿度を根本的に下げられないので、対策として不十分になりがちです。
気温と湿度の両方をコントロールできる解決策といえばエアコンです。しかし、エアコンの導入には、「導入のためのコストがかかりそう」「工期が長引きそう」などの不安の声もあることでしょう。
このような不安をお持ちの方におすすめしたいのが、スポットエアコンです。
スポットエアコンとは、狙った場所だけをピンポイントで冷却するためのエアコンで、天井埋込形や天井吊り形のエアコンに比べると、低コストで工期も短くできる利点があります。
たとえば、株式会社イーズのスポットエアコン「スポットバズーカ」なら、以下のような特長があります。

  • コンパクトでありながら十分な暑熱対策ができる
  • コストがお得
  • 設置が簡単で工事に時間がかからない
スポットバズーカ

「スポットバズーカ」は、最大風速8m/sと超強力な冷風を送れる構造になっています。一般的な業務用エアコンの最高風速が4m/s程度、家庭用の扇風機の最高風速が3m/s程度なので、「スポットバズーカ」がいかに強力な風を出しているかがわかるでしょう。50m離れたところでも冷風が届き、その体感温度は春先の平均気温並の14℃です。これなら仮にピンポイントしか冷却できなくても、暑熱対策としては十分すぎる効果です。
「スポットバズーカ」は、室内全体を冷やす必要がないので、通常のエアコンよりも設置台数や冷房能力を少なくおさえられ、その分だけ導入コストもおさえられます。「スポットバズーカ」の場合、通常のエアコンに比べて「半分程度の台数」あるいは「半分程度の冷房能力」で済むので、導入コストも当然半分以下で済むのです。さらに、「スポットバズーカ」なら工場内の人がいない空間(=無駄な空間)を冷やさずに済むので、ランニングコストの点でもお得です。
「スポットバズーカ」は、工場で使われる一般的な三相200Vのコンセントがあれば、通常の業務用エアコンと同じ方法で設置可能で、タイプによっては工事期間ゼロ日でも設置を完了できます。「空調設備の工事にかかる時間が心配」という方には、うってつけのソリューションでしょう。

このような特長を持つ「スポットバズーカ」は、すでにさまざまな事業所で暑熱対策として導入されています。詳しくは「スポットバズーカの導入事例のページ」をご覧ください。

暑さ指数(WBGT)を把握して熱中症予防を

汗を拭く作業員

WBGTは、気温だけでなく、湿度や輻射熱など、熱中症リスクを高める要因となる複数の指標を総合的に判断できる尺度です。作業場で働く従業員の健康と安全を守るためには、このWBGTのコントロールが不可欠になります。「スポットバズーカ」は、WBGTを適切に比較的安価で手軽にコントロールできる手段の1つです。作業場の熱中症対策にお困りの方は、株式会社イーズまでご相談ください。

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