投稿日:2026.03.10
更新日:2026.03.10

倉庫では、保管物の品質維持や作業環境の改善、安全対策の観点から空調設備の重要性が年々高まっています。しかし、自社倉庫に適した空調設備の製品選定や設置方法が分からず迷う方も多いのではないでしょうか。
そのような方に向けて、本記事では倉庫での空調設備の必要性や倉庫に適した設置方法、製品選定について解説します。あわせて、倉庫に最適なおすすめのスポットエアコンと導入事例も紹介するので、ぜひ参考にしてください。

倉庫内の温度・湿度は、商品の品質や作業の安全性、効率に大きな影響を与える要因の一つです。そのため、近年では物流品質や労働環境改善の観点から、倉庫への空調設備の導入が重要視されています。
ここでは、倉庫における空調設備の必要性を4つの項目に分けて多角的に詳しく解説します。
倉庫は高天井・大空間構造なことが多いため、熱がこもりやすく、夏場には外気温以上の高温環境になることも珍しくありません。倉庫内が高温環境になると、次のような問題発生につながります。
熱中症の対策で特に気をつけるべきことは、「気温」と「湿度」です。
気温が高いほど当然熱中症リスクは高まりますが湿度にも注意が必要です。
熱中症の予防を目的とした指標として「暑さ指数(WBGT)」があります。WBGTとは、Wet Bulb Globe Temperatureの略で、「気温」「湿度」「輻射熱(ふくしゃねつ=照り返しによる影響)」の三つから算出する指標です。

環境省の熱中症予防情報サイトで地域ごとに確認ができます。
環境省熱中症予防情報サイト 暑さ指数(WBGT)について学ぼう
WBGT値では、気温がおよぼす割合を全体の1割としているのに対して、湿度のおよぼす割合を全体の7割と考えています。
つまり、熱中症リスクにはそれだけ湿度の高さが大きく影響していることを示しているのです。
同じ気温でも湿度が高い場所では汗が蒸発しにくくなります。熱を放出する能力が低下するため熱中症のリスクが高くなるのです。日本の夏は湿度が高いので、熱がこもりがちな倉庫内では特に注意が必要です。
倉庫内で働く従業員の熱中症などの健康リスクを低減させるためには、温度だけでなく、湿度をしっかり下げられる空調設備の導入がおすすめとなります。
特にピッキングや荷役作業は身体的な負荷が大きいため、夏季の高温環境の改善は安全管理上の重要課題です。空調設備は従業員の健康を守るだけでなく、企業の安全配慮義務への対応としても必要性が高まっています。
温度・湿度をしっかり下げられる空調設備を導入し、倉庫内の体感温度を下げることで、作業者の健康リスクを低減できます。
倉庫内は外気の影響を受けやすく、夏季は高温多湿、冬季は低温乾燥になりやすい環境です。温度・湿度管理が不十分な場合、以下のような問題が発生する可能性が高まります。
空調設備によって倉庫内の温度・湿度を一定に保つことで、商品の品質保証やクレーム防止につながります。
暑過ぎたり寒すぎる環境は、作業員のパフォーマンスにも大きな影響をもたらします。過酷な環境は、作業速度や精度の低下を招きかねません。
その点、空調設備によって施設内の環境を改善することで、次のような効果が期待できます。
結果として、出荷遅延や誤出荷といった物流品質の問題解決にもつながるでしょう。
倉庫は昼夜や季節による温度差が大きい施設も多く、結露が発生しやすい環境です。結露は保管物だけでなく建物自体にも次のような悪影響を与えます。
空調設備によって倉庫内の温度・湿度を適切な範囲で管理することで、施設の劣化抑制や維持管理コストの低減につながるでしょう。

倉庫の空調導入は、現場で働く作業者の環境改善や安全確保に直結する取り組みです。
現場の状況にぴったり合った、快適で効率的な空調レイアウトが求められます。
空調設備(室内機)の倉庫内への主な設置方法は下記の4タイプです。
ここでは、空調設備の設置方法を詳しく解説します。自社倉庫に最適な空調設備の種類を見極めるために、ぜひ参考にしてください。
壁掛型は、背丈より少し高い位置の壁・柱に設置する方法です。基本となる設置方法で、壁や柱に設置スペースを確保できる倉庫や工場などで広く採用されています。
床面を占有しないため、フォークリフトの走行や荷物の搬送を妨げることなく、高すぎない位置から効率よく送風でき、作業エリア全体を均一に冷暖房しやすい点が特長です。
天井が高い倉庫でも室内機の高さを4m以下に設置して、作業スペースのみに空調を効かせることで、台数を少なくした設置が可能になり、導入コストはもとより、日々のランニングコストの大幅な削減にもつながります。
また、電源や室外機との距離を比較的近くに設置できる場合が多いので、長すぎる配管によって空調設備の性能が落ちることなく、効率の良いパフォーマンスを発揮します。
広い倉庫への壁掛型の設置は、中心部分まで風を届かせることができる大風量で性能の高い空調機を設置することが推奨されています。
天吊型は、天井面または梁下から本体を吊り下げる設置方法です。壁掛け型と同様に床面を占有しないため、広い範囲の空気を循環させることができます。倉庫の中心部分への設置によって、倉庫全体に風を届けられます。
壁掛け設置で賄いきれない広い倉庫への2台目以降の設置や壁や柱への設置が難しい場合に有効な設置方法ですが、万が一落下した場合に重大な事故につながるため、落下対策を厳重に行うことが不可欠です。
地震の際なども考慮して、十分な強度の吊り金具・支持材の選定、耐荷重の確保と緩み防止、振れ止めなどの対策が極めて重要です。また、吊り元となる倉庫の天井や梁下自体に十分な強度があるかの確認も必須です。さらに、室外機との距離が遠くなり長すぎる配管は空調機の効率を落としてしまうため、排水(ドレン)配管の取り回しや電源の確保にも工夫が必要です。
床置型は、床面や専用架台に据え付けて、作業者のいるスペースに直接風を送る設置方法で設置工事も比較的容易に行えます。作業ゾーンをピンポイントで空調できる即効性が特長です。また、手の届く範囲にあるため、操作やメンテナンスもこまめに行えます。
倉庫では荷捌き場や出荷スペースなど、作業が集中する場所の環境改善に効果的で、壁掛けや天吊り設置と併用して複数の空調機を設置する際にも有効な設置方法です。
ただし機器設置の面積分、床面のスペースを占有しますので設置場所が限定されがちです。また、動線計画や周囲に防護柵を設けるなど、フォークリフトなどとの接触防止対策を考慮した配置が重要となります。
スポットエアコンはキャスター付きで移動可能な機種も多く、レイアウト変更が頻繁な倉庫環境に適しています。冷却した空気を吹出口やダクトからピンポイントに送り出す構造となっており、どちらかというと空間全体ではなく特定の場所や作業者に直接冷風を送る局所空調機です。
室内機と室外機が一体となっている機種は、エアコンでも配管工事の必要がありません。電源さえ繋げばすぐに稼働できます。
特に夏季の熱中症対策として導入されるケースが多く、本体価格や設置工事費も比較的安価なので、初期投資を抑えながら作業環境を改善できる点がメリットです。
ただし、冷房時には同時に室外機から熱い空気(排熱)も室内に排出されます。排出処理を適切に行わないと周囲温度が上昇するため、設置場所の検討や排気計画を考える必要があります。
搬入口のシャッターなどが半開放の倉庫では、比較的排熱が逃げやすいためスポットエアコンとの相性は良いといえます。また、天井の高い倉庫では排熱を上方向に逃がし作業スペースのみを冷却する使い方が効果的です。逆に天井の低い倉庫には不向きになります。
また、室内機側からドレン水(空気中の水蒸気が冷やされて液体に変わった「結露水」)が出ますので、ホースの接続やタンクなどの排水処理にも工夫が必要です。
倉庫はオフィスや店舗と違って、壁に設置スペースが無かったり、天井まで商品棚があるので天吊り設置ができなかったり、フォークリフトが走り回るので床置きができないなど、現場ごとの個別の用途や事情が極めて複雑です。
また、空間全体を一定の温度にしたいのか、特定の作業スペースだけを空調したいのか、など空調の目的によっても最適な台数や設置位置(高さや風の確度)などが変わります。
だからこそ、柔軟な「マルチ設置」ができる機種が強く求められ、選ばれています。
また、倉庫の暑熱対策で空調設備としてスポットエアコンを検討する際、同時に比較検討される機器にスポットクーラーや気化式冷風扇(大型冷風扇)などがありますが、スポットクーラーは小型機が多く、1~2人用には良いですが、広い倉庫には不向きといえます。また、気化式冷風扇は水分を含んだ風を出すため湿度が急激に上がる傾向があり、かえって蒸し暑さを感じる場合もあります。また、紙器やダンボールが湿気で崩れたり、金属部品が錆びたりするリスクがある倉庫には不向きな設備といえるでしょう。
倉庫内の製品や荷物の種類、空調したい範囲にもよりますが、倉庫内の暑さ対策には空気を除湿しながら冷たい風を出す、内部にコンプレッサー(冷媒ガスを圧縮する冷却装置)や熱交換器を搭載したエアコンタイプの空調をおすすめします。

前述したように倉庫に空調設備を設置する際には、可搬式スポットエアコン以外、室内機と室外機を別々に設置する工事が必要となります。そのため費用についても、「本体価格+設置工事費」で考えることになります。
前提として倉庫は「大空間」「高天井」「外気流入が多い」といった特長があるため、馬力(空調能力)の高い設備が求められます。
施設によって床面積や天井高だけでなく、建物の断熱性能や保管物の種類といった環境的な条件が異なるので、それらを考慮した台数設定が必要です。
設置工事費については、導入する製品の種類や設置環境によって金額差が大きく、大掛かりな工事が必要となる場合もあります。設置の際、電気工事や配管工事、高所作業などが発生する場合は、材料費・工賃が加算されるため、総額費用も高額になりやすい傾向です。
本体価格についても導入する製品の種類や性能によって大きく変動するため、一概には言えませんが、当然、風量や冷暖房機能が高いハイスペックな製品は本体価格も高価な傾向にあります。しかしハイスペックな製品は、1台でカバーできる冷暖房の範囲も大きくなるため、少ない台数の設置が可能となります。台数ごとに工事費も掛かりますので、かえって導入コストを抑えられる場合もあります。
そのため、導入前に必要な工事の内容や設置環境を事前に把握し、費用対効果も考慮したうえで、設置工事費を可能な限り抑えられる製品の選定と適切な台数設定が重要となります。
自社倉庫に設置するのに最適な性能を備えた空調設備をお探しであれば、株式会社イーズが提供する業務用大型スポットエアコン「ぐっぴーバズーカEX」がおすすめです。
「ぐっぴーバズーカシリーズ」は、倉庫などの酷暑作業所に最適な冷房性能を備えた強力スポットエアコンです。
別置型(室内機と室外機を別々に施工するタイプ)と一体型(室内機と室外機が一つになった可搬式)の2タイプで展開しており、倉庫のレイアウトや環境、導入目的にあわせて使い分けが可能です。

別置型

一体型
いずれもバズーカ級の爽快な大風量が特長で、導入いただいたお客様からは「除湿された爽快爆風が作業服の中を駆け抜ける」と好評です。
直進性の高い風が低層空間を吹き抜けるため、空間全体を冷房する通常のエアコンに比べて、少ない台数で倉庫内の温度を適切に管理できます。
また、ぐっぴーバズーカの室内機は正方形に近いコンパクトな設計ですので、別置型を倉庫に導入する際には前述した壁掛、天吊、床置(架台置)型のいずれの設置方法にも対応が可能です。
室内機を壁掛けや天吊設置することで、床面のスペースを圧迫せず、人や車両の出入りが頻繁な施設や定期的にレイアウト変更を行う倉庫でも高性能な空調設備を導入・運用できます。
一方、室内機と室外機が一つになった一体型は、空調が必要な作業場所や商品の保管スペースを効率的に狙い撃ちできるのが特長です。施工不要で三相200Vのコンセントがあればすぐに稼働できます。キャスター付きで移動可能ですので、スポットエアコンとして活用できます。オプション品として、室外機からの排熱を上方向に逃がす「布製上吹きガイド」やドレン水の排水に便利な「ドレンタンク台車」も用意されています。
特にEXタイプは、熱交換器の搭載量を従来機(バズーカシングル)の倍にすることで3倍の除湿量を実現しました。吸込温度と吹出温度の差が大きく、冷房ではより冷たい風を、暖房運転ではより暖かい風を効率的に供給できます。
70㎥/minの大風量を発生させられる定格7馬力(最大8.5馬力)のパワーを備えており、1台の室内ユニットでBZツイン(2ユニット)に匹敵する冷房能力をシングル接続で発揮します。
そのうえ、省エネ性能も高いので、導入コストとランニングコストを抑えながら従業員の健康と保管物の品質を守る快適な空間を実現できるでしょう。
ぐっぴーバズーカEXのスペックを確認したい方や、導入を検討している方は、以下のページからお気軽にお問い合わせください。

愛知県みよし市で樹脂部品製造・金型製造工場を営む「三光⾦型株式会社様」は、2階倉庫の暑熱対策に悩みを抱えていました。
2階倉庫は天井が低く、日射熱の影響で夏場は外気温よりも暑い危険な作業環境になっていたそうです。対策として水冷扇や小型のスポットクーラーを導入しましたが、いまいち涼しさを感じられず、作業環境の改善につながる空調設備を探していたところ、弊社の「ぐっぴーバズーカ」を見つけ、お問い合わせをいただきました。
デモンストレーションでこれまでにない大風量を体感され、ぐっぴーバズーカを導入した結果、「やっと効果を感じる冷房が来た!」と作業員に大好評だそうです。
ぐっぴーバズーカシングルを1台架台置きしたエレベーター前のメイン作業場では、広範囲を狙って冷却できることから、動き回る作業員たちの助けになっているとお喜びの声をいただいています。大風量の乾いた涼しい風を浴びることで、天井からの高熱も気にならなくなったとのことです。
また、列の間を風が吹くよう、天吊にてぐっぴーバズーカツインタイプ1台を設置した商品棚においても、確かな効果を実感いただいています。まだまだ商品棚は列が多く、冷やす範囲を広げたいとのことで、ぐっぴーバズーカツインタイプの増設を予定されているそうです。

倉庫の空調設備の導入は、単なる快適度を向上させるだけでなく、作業者の安全確保や商品価値の維持、業務効率向上といった多角的なメリットにつながる重要度の高いインフラ設備です。
なお、広大な空間や高い天井、頻繁な搬出入といった特長をもつ倉庫に空調設備を設置する際は、一般的なオフィスとは考え方が大きく異なります。空間全体を均一に冷暖房するだけでは非効率になりやすいため、作業スペースや製品の種類、用途や運用方法に合わせた空調方式の選定や台数設定が重要です。
本記事で紹介した倉庫に適した空調機の設置方法を参考にしつつ、費用対効果の最大化につながる設備を導入しましょう。
なお、倉庫内の環境整備に最適な冷暖房機器をお探しなら、本記事で紹介した業務用大型スポットエアコン「ぐっぴーバズーカ EX」がおすすめです。製品の詳細を確認したい方は、「株式会社イーズ」まで気軽にお問い合わせください。
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