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農業の省エネ機材導入で活用できる補助金「省エネルギー型ハウス転換事業」について解説

投稿日:2026.01.14

更新日:2026.01.15

農業の省エネ機材導入で活用できる補助金「省エネルギー型ハウス転換事業」について解説

農業(施設園芸)に従事している事業者にとって、ハウス内の温度・湿度管理は不可欠です。作物ごとに生育に最適な温度範囲があり、高すぎても低すぎても生育障害を起こしてしまいます。一方、湿度が高い環境下では、葉は気孔から水分を逃がすこと(蒸散)が困難になるため、根からの養分(カルシウムなど)の吸収が止まってしまいます。さらに多湿を好む病原菌(灰色カビ病など)の発生や害虫の増殖リスクが高まります。また、湿度が極端に低く乾燥しすぎると水分量を守るために気孔が閉じられ、CO2を取り込めず光合成が止まってしまいます。

このようにハウス内の温度・湿度管理は、収穫量や品質を大きく左右する重要性の高い課題であるといえます。

実際、理想的な生育環境を整えるため、冷暖房や換気を行う空調設備を導入しています。

加温のために多くのハウスでは燃油暖房機が使われています。機器本体の導入コストが比較的安価なことや、燃焼による熱量が非常に大きく、真冬の深夜でもハウス内の温度を一気に引き上げることに長けていることから、広く普及しています。

しかし一方、燃油暖房機は原油価格の影響をダイレクトに受けるため、経営コストが不安定になりやすいというデメリットがあります。

特に施設園芸は経営費に占める燃料費の割合が大きく、燃油価格の高騰による影響を受けやすい業種です。昨今はA重油の価格が高止まっており、燃油価格の高騰が生産コストを押し上げ続けていますので、施設園芸に従事している事業者にとって大きな悩みの種となっています。

設園芸に用いるA重油価格の価格推移

設園芸に用いるA重油価格の価格推移

また近年では、燃焼によって排出される温室効果ガスの排出が環境負荷の観点から国際的にも問題視されています。

化石燃料の削減や環境への配慮のため、燃油暖房機にかわる(あるいは併用する)ハウス栽培用ヒートポンプなど、省エネ性能の高い設備が注目されています。

省エネ化(脱炭素化)を進めることは、燃油高騰に左右されない強い経営体質を作ることに直結します。環境に配慮した野菜や果物は消費者の購買意識も高く、単なるコスト削減だけでなく、商品のブランド価値を高める重要な要素にもなっています。

とはいえ、大規模またはハイスペックな設備(ハウス栽培用ヒートポンプなど)の導入は高額なコストがかかるため、必要な投資とわかっていても、なかなか踏み切れないケースも多いでしょう。

そのようなハウス栽培における設備導入コストを抑えるための支援策に補助金があります。

施設園芸の省エネ化を支援する補助金は

施設園芸の省エネ化を支援する補助金は

2026年度(令和8年度)に農業用ハウスへヒートポンプ導入など、施設園芸の省エネ化を支援する農水省による主な補助金制度を紹介します。


産地の収益力を強化する

産地パワーアップ事業(施設園芸エネルギー転換枠)

収益性向上や生産基盤の強化を目的とした事業で、燃油依存からの脱却を目指す高機能なヒートポンプや省エネ設備の導入も対象となります。

補助率:定額、 1/2以内対象:産地パワーアップ計画への参加が必要。産地全体で「燃油使用量の15%以上削減」や「省エネ機器の導入面積50%以上」といった成果目標の設定が求められます。産地(地域)全体での取り組みが重視されるため、個人の場合はJA等を通じて申請する形が一般的です。

募集期間:令和7年度(2025年度)事業については 多くの自治体で、2025年2月〜3月頃に事前要望の調査や公募が開始されました。

注意:この事業は、まず「市区町村」や「地域農業再生協議会」が窓口となって申請を取りまとめるため、国が発表する公募締切よりも1ヶ月ほど早く地元の締切が設定されることが一般的です。

産地基幹施設や拠点を整備する

強い農業づくり総合支援交付金

産地基幹施設(集出荷場や育苗施設など)の整備や、生産事業モデルの育成を支援する枠組みとして継続中。農業用ハウスの資材、ヒートポンプ、内張りカーテンなどの導入も広く支援しています。

補助率:定額、1/2以内(地域や条件により変動あり)

対象:農業者団体、認定農業者など

どちらかというと「個別の農機具」よりは、共同利用施設や産地全体のインフラ整備に使われることが多い。ヒートポンプを含む高度な環境制御施設の整備でも活用される場合もあります。

募集期間:例年、補正予算成立後の1月〜2月頃に要望調査が行われ、その後も年度ごとに公募があります。

省エネ機材導入などを補助する

『省エネルギー型ハウス転換事業』

令和8年度予算概算決定・令和7年度補正予算の概要

「省エネルギー型ハウス転換事業」は、みどりの食料システム戦略の「2050年までにハウスの脱化石燃料化(化石燃料を使わないゼロミッション化)」という設定目標のもと、化石燃料に依存した農業から脱炭素・省エネ型農業への転換を強力に支援する事業です。

脱化石燃料化に合致するヒートポンプや木質バイオマスボイラーなど、省エネ効果を高める設備の導入に特化した予算枠でもあるといえます。

「省エネルギー型ハウス転換事業」については2025年度の補正予算にも計上された「みどりの食料システム戦略緊急対策交付金」から補助されますので、この後、主要なポイントを詳しく解説したいと思います。

その他の補助について

自治体(都道府県・市区町村)の独自補助

国の補助金に上乗せ、あるいは小規模な導入(数台程度)でも使いやすいのが自治体の制度です。「省エネ設備導入支援事業」などの名称で、地域の農協(JA)を通じて案内されることが多いようです。

2025年末から2026年初頭にかけて各自治体の予算案が確定するため、地元の振興局や市役所の農政課へ「令和8年度のヒートポンプ補助金」について問い合わせてみることもおすすめです。

施設園芸等燃料価格高騰対策

直接的な買い換え補助ではありませんが、燃油価格が上昇した際に補填金が交付されるセーフティーネットが運用されています。これと併せて省エネ設備(ヒートポンプ)を導入することで、将来的な経営リスクをさらに抑えることができます。

ヒートポンプ導入にも活用できる「省エネルギー型ハウス転換事業」とは?

それでは「省エネルギー型ハウス転換事業」の基本情報制度の概要や創設された背景、主な対象者などを網羅的に解説します。

また、おすすめのハウス栽培用ヒートポンプも紹介しますので、補助金を活用して省エネ効果を高める設備の導入を検討されている方は、ぜひ参考にしてください。

制度概要

「省エネルギー型ハウス転換事業」とは、農業分野の施設園芸(ハウス栽培・温室栽培)における化石燃料の使用量を減らすことを目的とした制度です。

農林水産省が進める「みどりの食料システム戦略」の一つとして位置づけられており、施設園芸でエネルギー投入を抑えながら生産性を維持・向上させる取り組みに対して経費支援を行っています。

その取り組みによって施設園芸における化石燃料使用量を削減することで、2030年までに加温面積の50%をヒートポンプなどを導入したハイブリッド型施設等への転換、そして2050年には化石燃料を使用しない施設への完全移行を目指しています。

創設された背景

省エネルギー型ハウス転換事業は、次のような社会的・農業的背景に対応するために創設・拡充されています。

  • 脱炭素社会への対応
  • エネルギーコストの高騰
  • 生産性と環境負荷低減の両立

前述したように温室効果ガスの削減やカーボンニュートラルが世界的に求められているなか、農業分野でも化石燃料依存の園芸から省エネ機器や再エネ利用への移行が推進されています。そのような脱炭素社会に向けた対応を後押しするのが、「省エネルギー型ハウス転換事業」の中核的な目的となります。

また、国際的な原油・燃料価格の上昇により、ハウス園芸に必要な加温・環境制御のエネルギーコストが大幅に増加し、経営負担が重くなっていることも化石燃料からの脱却が推進される要因の一つです。そのため、省エネ化や再生可能エネルギー利用による経費削減と経営の強靭化が必要となりました。

加えて、単なる省エネ化ではなく、エネルギー投入を減らしつつ収量・品質を落とさない栽培体系の確立を支援することで、持続可能で強い農業経営の実現を目指しています。

対象となる設備・取り組み

「省エネルギー型ハウス転換事業」は、支援対象となる設備・取り組みは、以下のとおりです。

1.再生可能エネルギーの活用推進
地域における地中熱・地下熱、工場廃熱、温泉熱等の再生可能エネルギーの活用に向けて、検討会の開催、先進事例等の調査、活用可能なエネルギーの賦存量調査等を支援します。

2.エネルギー投入量の少ない栽培への転換に向けた実証
環境制御(温度、CO2濃度等)を行うためにエネルギーを投入する施設園芸において、収量・品質等を低下させず、エネルギー投入量の低減が可能な栽培体系への転換に向けた取組を支援します。
(1)地域に適した持続的な栽培体系の検討 実証する栽培管理方法や資機材の検討に係る取組を支援します。
(2)エネルギー投入量の低減に向けた栽培体系の実証 投入するエネルギーを低減する栽培管理方法や資機材の導入、 エネルギーのロスを抑制する資機材の導入や既存施設の改良等の実証を支援します。 また、それらの実証と併せて行う、収量・品質等の維持・向上の実証を支援します。
(3)新たな栽培体系の横展開 エネルギー投入量の少ない栽培体系の普及に向けたマニュアルの作成、セミナー等による情報発信を支援します。

引用:令和7年度補正予算の概要|農林水産省

(2)のエネルギー投入量の低減に向けた栽培体系の実証を活用することで、ヒートポンプや木質バイオマスボイラーなど、省エネ機材やハウス内の温度・CO2濃度などを適切に管理するための環境制御装置などの導入にかかる費用を受けられます。

また、省エネカーテンの設置、断熱改修など、ハウスの改良にかかる費用の補助を受けられます。

補助率:定額、原則1/2以内(地域や条件により変動あり)

補助上限:2,500万円※

※事業内容や採択枠によって異なりますが、産地全体での取り組みを想定しているため、個別の設備導入よりも大きな枠組みで予算が組まれます。

また、地域で活用できる再生可能エネルギー(地中熱、地下水熱、廃熱、温泉等)の調査費用に補助金を使用する場合は、上限1,500万円と定められています。

主な対象者

省エネルギー型ハウス転換事業の主な対象者は、ハウス栽培に取り組む園芸産地やJA、自治体などです。個人の農家単位よりも、産地(JAや生産者グループ)として「脱炭素化をどう進めるか」という計画(産地形成促進計画)の中に位置付けられていることが求められます。

なお、以下の条件に当てはまる場合は、優先的に採択されます。

  • みどりの食料システム法(※1)に基づく特定区域において取り組みを行う場合
  • 事業実施主体の構成員(農業者、民間団体など)が「みどり認定(※2)」を受けている場合

(※1)みどりの食料システム法について|農林水産省

(※2)環境にやさしい農業に取り組んで – みどり認定|農林水産省

申請する際は、事業内容や化石燃料の削減目標、削減の根拠を示す資料(省エネ機器メーカーやハウス施工業者が示すデータ)などを記載した事業実施計画を都道府県に提出する必要があります。

【おすすめ製品】ぐっぴーバズーカ EX

「省エネルギー型ハウス転換事業」の補助金制度を有効活用するためには、適切な設備の選定が必要不可欠です。

例えば、ハウス内への冷暖房機器の導入にあたって、補助金活用を検討している場合は、化石燃料使用量の減少につながる省エネ性能の高い機材を選定しなければなりません。同時に、農作物の収穫量や品質を維持・向上するためには、冷暖房性能や除湿性能も重視する必要があります。

そのような「省エネルギー型ハウス転換事業」を設備導入時に活用できるハウス栽培用ヒートポンプに、株式会社イーズが提供する「ぐっぴーバズーカEX」があります。

ここからは、ぐっぴーバズーカEXの特徴や製品仕様について詳しく解説します。ぐっぴーバズーカEXを導入していただいた事業者様の事例も紹介するので、ぜひ参考にしてください。

【おすすめ製品】ぐっぴーバズーカ EX

特徴

ぐっぴーバズーカEXは、業界トップクラスの省エネ性能を備えたハウス栽培用ヒートポンプです。

暖房定格COP 4.80(JIS条件)、冷房定格COP 3.70(JIS条件)を満たしており、燃油暖房機器と置き換えたり、併用によるハイブリッド運転をすることで、化石燃料使用量とランニングコストの削減に貢献いたします。

70㎥/minの大風量を発生させられる定格7馬力(最大8.5馬力)のパワーを備えており、1台の室内ユニットでBZツイン(2ユニット)に匹敵する能力を発揮します。比較的少ない台数で中〜大型ハウスを賄うことが可能です。

さらに、熱交換器の搭載量を従来機(バズーカシングル)の倍にすることで3倍の除湿量を実現しました。除湿重視のハウスにも最適です。吸込温度と吹出温度の差が大きく、暖房運転ではより暖かい風を、冷房ではより冷たい風を効率的に供給できることが最大の特長です。

「省エネルギー型ハウス転換事業」の要件をクリアする省エネ性能と、農業従事者が求める冷暖房と除湿性能を兼ね備えた設備といえるでしょう。

ぐっぴーバズーカEXのスペックを確認したい方や、導入を検討している方は、以下のページからお気軽にお問い合わせください。

ぐっぴーバズーカ EX(別置型)の詳細・お問い合わせはこちら

導入事例

いちご狩りのできる観光いちご農園を運営する「ワイズアグリ合同会社」様は、環境負荷低減と生産性の向上を目的とする千葉市の補助金を活用し、500㎡と180㎡のハウスにぐっぴーバズーカEXを導入されました。

その結果、暖房機だけのハウスと比較して、重油暖房機の運転時間を57時間ほど削減できたそうです。「電気代もそれほど高くなかった」と語られており、ぐっぴーバズーカEXの省エネ性能の高さを実感していただけていることが分かります。

加えて、育苗用の180㎡ハウスにおいて簡易夜冷処理にバズーカEXを活用したところ、花芽分化が促成され、定植時期が早まったそうです。定植時期の早期化によって、例年よりも多くのイチゴを収穫できる見込みと喜ばれています。

補助金の活用に向けて、早めの相談が必須です

補助金の活用に向けて、早めの相談が必須です

「省エネルギー型ハウス転換事業」は、ハウス栽培における化石燃料の使用量を減らすことを目的とした農林水産省が推進する制度です。
「緊急対策交付金」という名称の通り、補正予算等で積み増しされることが多い事業です。

※2025年冬〜2026年当初
令和7年度補正予算案や令和8年度当初予算案の中で、募集要綱の細部を公表
※2026年春頃: 要望調査、一次締め切り
(※スケジュールは予測です)

採択・着工: 採択決定後に契約・発注・工事となります。
事前着工はNG: 交付決定前に購入・着工してしまうと補助対象外になります。
この事業は、「地方公共団体(都道府県・市町村)」が窓口となり、そこから協議会、生産者グループへ配分される仕組みです。
あなたの地域で「省エネルギー型ハウス転換事業」を活用する計画がすでに動いているか、あるいはこれから作る予定があるかを確認する必要があります。

なお、ハウス栽培用ヒートポンプの導入をご検討の方は、本記事で紹介した大風量かつ省エネ性能に優れた「ぐっぴーバズーカ EX(別置型)」がおすすめです。

最寄りの農業改良普及センターまたはJAの営農指導課へ「令和8年度にみどりの食料システム戦略緊急対策交付金を使ってヒートポンプぐっぴーバズーカ EX(別置型)を導入したいのだけど、地域の計画はありますか」と相談してみてはいかがでしょうか。

製品の詳細を確認したい方は、「株式会社イーズ」まで気軽にお問い合わせください。

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