農業用ヒートポンプ記事
AGRI-HEATPUMP ARTICLE
投稿日:2026.03.31
更新日:2026.03.31
ヒートポンプを活用したイチゴ栽培の実証により、収量を維持しながら燃油使用量を約8割削減し、CO2排出量も大幅に削減できることが確認されました。ハイブリッド運用や夜間冷房などの活用により、環境負荷低減と安定生産の両立が期待されています。今後はコスト課題の解決と普及に向けた取り組みが進められています。
千葉市農政センターと同市の施設イチゴの生産者が、環境負荷低減に向けて、ヒートポンプ(=株式会社イーズ・ぐっぴーバズーカEXタイプ)を活用したイチゴの施設栽培の実証実験に取り組んでいる。これまでの実証で、収量を維持したまま一般的な重油加温式に比べて10アール当たり32・4トン、75%の二酸化炭素(CO2)を削減できることを確認した。
今後は営農マニュアル作りやコスト削減対策を進め、普及を図りたい考え。同センターは市の普及拠点で、農水省のみどりの食料システム戦略緊急対策交付金を活用し、ヒートポンプだけのオール電化型施設と、重油式との併用型施設を設置。2022年から両タイプと慣行栽培を比較する実証実験を始めた。
併用型は面積5アール、2層カーテンで、ヒートポンプと重油加温機を使って、早朝・日中加温と夜温維持を行い、10月〜翌年の5月までイチゴ「とちおとめ」などを栽培。千葉県の目標収量である10アール当たり4トンを維持した上で、燃油使用量を80%削減し、CO2を10アール当たり32・4トン削減することができた。
実証実験に参加する農家のワイズアグリは成果を踏まえて、いち早く5アールの施設にヒートポンプと重油式の併用型を3月に導入。ヒートポンプは育苗する夏場の夜冷にも活用する予定だ。定植を早められれば、ヒートポンプの運用コストを回収できるとみる。業務執行社員の澁谷陽平さんは「環境負荷軽減の取り組みが農水省の補助金の要件になってきた。従来通りでは通用しなくなる。収量を確保できるならやっていける」と話す。
澁谷さんの挑戦は他の農家も注目している。課題はコスト高だ。ヒートポンプは、外気温が低いと除霜運転が必要で、その分も含めて電気代や導入費がかかる。24年度の実証実験では運用のコスト削減の手立ても探る方針だ。導入費は市独自の補助事業を4月に新設し支援する。
市には持続可能な開発目標(SDGs)に貢献する産品を認定する仕組みもある。「観光農園としてもクリーンなイメージは経営のプラスになる」(同センター農業生産振興課)と、環境への意識が高い消費者へのPR効果などのメリットを唱える。
農水省によると、園芸用施設の設置面積は全国で約3万8000ヘクタールで、うち加温設備があるのは44%。その9割が重油などの化石燃料に依存している。ヒートポンプの設置面積は1017ヘクタールで、割合は6%。微増傾向にあるが、電気料金の値上がりが導入の足かせになりつつある。
みどりの食料システム戦略は、30年までにヒートポンプなどを併用したハイブリッド型園芸施設の割合を50%、50年までに化石燃料を使用しない施設への完全移行を目標に掲げており、コスト高をどう乗り越えるかが大きな課題となっている。(長野郁絵)
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