農業用ヒートポンプ記事
AGRI-HEATPUMP ARTICLE
投稿日:2026.03.30
更新日:2026.03.30
ハウスミカン栽培において、ヒートポンプと重油加温機を併用するハイブリッド方式により加温コストを約4割削減した事例です。燃油価格の高騰に対応し、集約栽培と組み合わせて経営の安定化を実現しました。施設果樹における暖房コスト対策の具体例がわかります。
経営メモ: 約70アールでハウスミカンを栽培。主な品種は「おおいた早生」「宮川早生」など。ヒートポンプと重油加温機のハイブリッド方式を導入し、加温コストの低減を実現。大分県柑橘研究会、JAおおいた杵築市地域柑橘研究会の会長などを務める。
大分県杵築市でハウスミカンを栽培する木村房雄さん(68)はミカン栽培に新規参入し、1代で経営を軌道に乗せた。生き残る方法論として規模拡大ではなく、施設を使った集約栽培の強化を唱える。燃油高騰対策にヒートポンプと重油加温機のハイブリッド方式を導入。加温コストの低減を実現した。県柑橘(かんきつ)研究会や果樹振興協議会会長など産地の世話役として後継者の育成にも注力する。 (聞き手=木原涼子)
――農業を始めたきっかけは何ですか。 元々、農業は専門外。高校卒業後、大阪で7年ほど暮らした。農業をしようと地元に戻り、10アールほどでキュウリ、トマトの栽培を始めた。35アールまで拡大したが、収穫や調製作業に追われ、労働時間は朝6時から夜10時まで。体が持たないと思っていた矢先、杵築でハウスミカンの栽培が始まった。ミカンの知識はゼロだったが、ハウスを活用すればできるのではないかと思い、「マーコット」を作るも失敗。独学で県内経営を確立するのは本当に大変だった。
――産地を巡る情勢は。 1998年には栽培面積50ヘクタール、生産量2500トンあった。現在は栽培面積は半分以下になり、820トンほど。産地間競争や集約栽培で維持していく必要がある。出荷量を確保しなくては買い手に信頼されないからだ。ハウスミカンがあることで、スーパーに国産ミカン売り場を年間で維持できる。輸入果実を許せば、国産かんきつの売り場が減ってしまう。単価が一円でも高くなってほしい。農家なら皆が思うことだ。ただ、消費者の懐事情も忘れてはいけない。1パック980円の販売価格を1100円にするには、下級品の割合を1%でも減らす産地側の努力が必要だ。
――燃油高騰に打ち勝つためには何が必要ですか。 近ごろは重油価格が1リットル80円以上と高騰する。今後も大幅な下げはないだろう。わが家は重油だけでなく、ヒートポンプと重油加温機のハイブリッド方式を進めている。その結果、以前より4割くらいコストカットできるので、実質1リットル約60円の重油を使っている計算だ。扱う品種も工夫した。極早生「おおいた早生」を導入。従来は12月から加温するところを、翌年2月からに抑えている。農家と国が積み立てる農水省の燃油価格高騰対策事業では、発動条件を緩和するよう求めたい。
――息子さんが後継ぎになりました。一緒に働く上で、気を付けていることはありますか。 息子と息子の妻、それぞれに通帳を作り、毎月給料を振り込んでいる。もちろんボーナスも支払う。農業は家族で働けるため魅力的だという女性の声もあるが、農家に嫁いだ側も、自由に使えるお金があれば楽しみが増える。他にパートに出ることもなく、農業を手伝ってくれれば、結果、自分たちも助かる。 父親として子供と一緒に歩んでいきたい気持ちが強かった。だから、息子の学校のPTA会長や地域活動は全て引き受けた。その結果、地元JAの職員とつながり、理解者も増えた。息子が後継者になった今も、互いのコミュニケーションは大事にしている。親子で同じ品目を栽培する以上、自分の経験があったとしても「上から目線」で接しては絶対に駄目。農業の苦労は伝えながらも、手の内は全て見せて、課題を話し合う関係性が大切だ。――担い手を育てるために必要なことは。 リース団地の拡充だ。杵築市内には年間約60万円の使用料を払い、20年使えばその人の物になるというハウスのリース農園の仕組みがある。農家以外の人が参入する場合、設備や機械代など2000万〜3000万円もする初期投資はできない。私も新規参入者。われわれベテラン農家が、引退する農家と新たな就農者をつなぎ、研修後から経営できる出口の環境整備をしていきたい。
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