重油の高騰で、電気を使いハウス内を冷暖房するヒートポンプが普及してきた。空気機器の製造・販売を手掛けるイーズは、大風量ヒートポンプ「ぐっぴーバズーカ」を売り込む。

埼玉県加須市で観葉植物を製造する細谷勇男さん(50)は、ハウス14棟に「ぐっぴーバズーカ」を導入して重油使用量を8割以上減らし、
コストはおよそ3割削減できた。

3.3アール1台で賄う
細谷さんがヒートポンプの検討を始めたのは、重油価格が1リットル当たり100円を超えた2013年、「価格に経営を左右されたくない」と考え、国の補助金を活用し、
14年にヒートポンプを導入した。「ぐっぴーバズーカ」を選んだ理由は、省コスト性と風量の大きさ、ボイラーは、1台で10アールのハウスを加温できるが、
ヒートポンプは複数台が必要なため、「購入するなら大風量を選んだ」と話す。
導入は、大型ハウス向き「BZツイン」13台と、小型ハウス向き「BZシングル」1台、100坪(約3.3アール)当たり1台を目安に設置した。
既存の循環線を併用し、ハウス内の空気を効率的に循環させ、温度むらをなくしている。
冬は加温、夏は送風で使用する。加温は、10~4月の午後4時から午前8時に、ハウ内温度が19度以下になれば稼働する。
急激な温度変化に備えてボイラーも併用するが「ぐっぴーバズーカ」を先に稼働させるため、ボイラーは17度に設定。年間の重油使用量は8キロℓと
導入前の65~70キロℓに比べて8割以上削減できた。
電気代は、年間250万円で、重油代を含めて光熱費は約350万。導入前は重油代で500万円ほどかかっていたため、コストは3割ほど削減できた。

生育むらをなくす
夏は送風でハウス内の空気を循環させる。温度は外気と同じだが、風がハウスの中央まで届き、「作業が楽になった」と感じている。
アザミウマ類の侵入を防ぐ防虫ネットを張ったハウスでは、通気性が悪く、温度が上がりやすかった。「風通しが改善し、病害は出にくくなった」と品質面の効果も実感する。
「ぐっぴーバズーカ」は、フィルターがなく、メンテナンスも簡単という。防水設計で水洗いが可能。「観葉植物が好む高湿度の環境でも故障の心配がない。1日2回の頭上かん水で水が掛かっても安心して使える」と
話す。設置場所は、ハウスによって変えている。植物に直接風が当たるとはが切れることもあり、2メートルほどの鉢を栽培するハウスでは、高さ1.8メートルに設置した。
オプションで自由に風向を変える「風向ガイド」も取り付けた。細谷さんは「ハウス内の生育むらがなくなった。電気代ならコストも計算しやすく、利益も安定した」と満足する。改善点として、霜取りが一斉に始まらないよう、霜取り時間を調整できる機能を求める。 (2018年7月30日付け 日本農業新聞 取材記事より)